足の爪切り 年々辛く面倒になりがち・・・転倒の誘引に⁉︎
こんにちは。
Abebyのちーさんです。
お読みいただきありがとうございます。みなさん、「年をとったら自分で足爪切りができなくて当たり前」そう思っていませんか。もちろん、自分ではどうにもできない要因・理由もあります。しかし、私が拝見する方々の足は「もっと早くにセルフケアしておけば違ったかも」とか、「情報不足」を感じることが度々あります。そのうえ、これまでの様々な調査から足状態と転倒との関連が示されていることからも、多くの方に少しでも早くセルフフットケアの重要性を知っていただき、未来に備えていただきたいと思い書いています。
備えるのは年金だけではありません!
これをお読みいただくことで、ご自分の20年後、30年後・・・生活がより一層「じぶんらしい」に近づきます。
ぜひ最後までお読みいただき生活に取り入れていただけたら嬉しいです❗️
目次
1.自分で足の爪切りをすることを諦めないで
2.足の爪切り・・・隠された恐怖
2.1.Xデーは突然やってくる⁉︎
2.2.爪と転倒
3.対策
3.1. ストレッチ
3.2.変化に気づく
3.3. セルフケア
◉まとめ
「自分で足の爪切りをすること」を諦めないで
フットケアに携わっていて、ご高齢者の皆さんからよく聞くのが
「自分で切っていた頃はこんなに伸ばしたことはないんだけど・・・」と言う言葉。
つまり、自分で切れなくなって他の誰かに頼むようになってから長くなっても放置していることが伺えます。頼まれる側のみなさんはどう感じますか。
しょうがない?かわいそう?いかがでしょう。
実は私は自分で試したことがあります。
何を試したかと言うと、「足の爪が伸びて切りたい」と感じてからも切らずに我慢することを試してみました。
結果、
感覚的には、靴下や靴で爪が圧迫され絶え間なく足趾の違和感が続いていました。違和感のある足趾の方にはなんとなく体重をかけたくない感覚です。
客観的には、爪自体も変化しました。もともと正常で全体が爪溝際が茶色く爪床から離れて浮いた状態になってしまいました(下写真赤丸部分)。
もともとは全体的に綺麗なピンク色だった爪です。切るタイミングをのがしただけで、これだけ変化しました。そのうえ、母趾爪溝の内側は軽度の発赤もありますね。
一般的に高齢者などで、爪が伸びると靴下などの衣類や布団に引っかかり易く爪剥がれの原因としていわれます。
しかし、それだけではありません。なんらかの不要な外力がかかり、爪の異常と関連しています。靴を履いた時、
ー靴にぶつかって痛みの発生原因にもなり、
ー自分の爪で自傷されているケース
ときどきいらっしゃると思います。
たかが爪。されど爪。
見た目以上に爪の延伸は身体への影響があります。転倒の関連因子でもあるので、転倒しないで安全にお過ごしいただけるようサポートしたいすね。
足の爪切り・・・隠された恐怖
Xデーは突然やってくる⁉︎
「当たり前にできていたことが、ある日突然できなくなる」
そんなドラマティックなことも実際ありますし否定しません。
しかし、日本の死因や平均寿命(資料参照)や実際の患者さんを見回すと自分の爪が急に切れなくなる方は比較的少ないことが考えられます。
では、なぜ自分で爪切りができなくなるのか。理由は5つ。
1)加齢に伴い身体機能が低下
具体的に説明します。
例えば、
・視力の低下
・手や足の感覚の低下
・柔軟性の低下
です。
「見えない」「どこを切ってるのかわからない」「手が届かない」「前に屈む(かがむ)のが大変」となります。
2)爪そのものの変化
爪は皮膚と同じ〜でできています。そのため、年齢と共に質が変化します。
具体的には
・爪が厚くなる
・変形
・硬い
・ボロボロの爪
など、爪自体が変化することで「普通」に切れなくて困難感が増しています。
3)白癬菌感染(中弥ほか:日臨皮会誌,26(1):27-36,2009.)
日本人の5人に1人は皮膚白癬10人に1人は爪白癬であることが明らかにされています。
「白癬菌かゆくなるだけでしょ〜」
「ジュクジュクするけど爪切りと関係ないでしょう?」
そう思われがちです。
強く言います。
NOーーーーーーーーー!
爪白癬、これがなかなか大変なのです。
厚い爪になったり、爪床から浮いた状態になったり。
ー普通の爪切りでは切ることが大変ですし、
ーどこまで切ったらいいか迷う方も多く、
ー爪が浮いてる方が衣類などに引っかかって爪剥離などもおこりやすいです
※爪白癬がある方は、現在皮膚白癬があるか過去に皮膚白癬だった方にしか発生しません。
4)生活習慣
3)にも通じますが、足の洗い方や保清概念がかなりバラツキがあります。毎日、趾の間まできれいに洗う方ばかりではありません。爪も伸びていても気にならない方もいらっしゃいます。
5)基礎疾患
「足に傷を作ったら大変」
医療機関で注意されると真面目な方ほど「傷つけちゃたらどうしよう」と『不安』になって、自分で足の爪切りをすることを避けるかたもいます。
切ることで傷を作ることもありますが、切らないことで自傷や爪剥がれなどのリスクが高まり危険です。必要な時に必要なケアができる、ケアが受けられる必要があります。
このような様々な事柄が複雑に絡み合って、結果的に「今」自分ではできない状態に至っている方が多いと言えます。
2019年主な死因の構成割合,厚生労働省より
2019年 平均寿命の推移 厚生労働省a
爪と転倒
転倒して骨折・・・。できることなら避けたいですね。
爪の状態と転倒は一見無関係。
しかし、これまでの報告1)で母趾の異常(外反母趾・陥入爪・肥厚爪・疼痛)の有無が「開眼片足立ち時間」や「足趾間力(親指と人差し指を寄せる力)」との関連が示されています。
結果の一部を紹介すると、
母趾の外反母趾・陥入爪・肥厚爪・疼痛がある方はない方に比べて開眼片足立ち時間が有意に短い。
したがって、母趾の外反母趾・陥入爪・肥厚爪・疼痛がある方はない方に比べて開眼片足立ちをしたときにバランスを崩しやすいことが考えられます。
さらに、陥入爪・肥厚爪・疼痛がある方はない方に比べて足趾間力が有意に低かったのです。
足趾間は足趾に加える力です。足趾で地面を掴む力にも匹敵し、歩行時にどのくらい足趾を使っているのか推測することにもなります。つまり、母趾陥入爪がある方はない方に比べて、歩行時に足趾を使わずに歩行している方が多いことが推測されます。
バランスを崩しやすいということは転倒につながりませんか?
歩行時、健康な方のように足趾を使って歩行できなかったら歩行姿勢が崩れ転倒につながりませんか?
1)Imai A,Takayama K,Yokozeki H,et al:Ingrown nails and pachyonchia of the great toes impair lower limb functions:Improvement of limb dysfunction by medical foot care.Int J Derm,50:215-220,2011いう
対策
ストレッチ
爪切りができなくなる理由の一つに身体機能の低下があります。視力の低下・感覚の低下はやむおえないといえます。ただ柔軟性は対策できることの一つといえるのではないでしょうか。
そこで、今回は柔軟性が落ちて体が硬くなり、足先に手が届かないことを避けるためのストレッチをご紹介します。
大臀筋ストレッチです。なぜ、このストレッチを紹介したかと言うと、
❶膝に足が載せられれば目的の爪切りが行いやすい。継続することで体制に慣れ、この体勢での苦痛を感じにくくなる
❷大臀筋という臀部の大きな筋肉を伸ばすので歩行や姿勢、腰痛改善の効果がある
◉ストレッチのコツ 右絵をもとに解説します。椅子に座って上体を倒すように実施もOK
1.仰向けになる
2. 右脚の足首を左脚の太もも(大腿)部に引っ掛ける
3.両手で左足もも部を抱えるように手を添えて、ゆっくりと胸に近づける
4.お尻が浮かないよう注意しゆっくり呼吸しながら、さらに膝を胸に近づける。臀部〜ももの伸びを感じたところで約10〜20秒キープ
5.キープ終了後、ゆっくりと元の位置に戻していく
6.反対の脚も同じように取り組む
7.左右10〜20秒キープ 可能なら2回ずつを目標
*痛みや疾患で制限がある場合は医師の指示に従ってください。決して無理をしないで、「気持ちいい」と感じたところでやめましょう。
**継続することが重要です。もともと体が硬いと感じている方だけでなく、皆さんぜひ一緒にやりましょう!
変化に気づく
今から『足』にも意識を向けることが重要です。まず、ご自分の足がどんな状態なのか見て把握しましょう。
現状・・・?
たとえば、
足の裏は白くカサカサ乾燥していませんか?
タコ(胼胝べんち)や魚の目(鶏眼けいがん)はありますか?きれいにしてもすぐにできますか?
足指ジャンケン「グー・チョキ・パー」できますか?
爪や足趾、足の形をどなたかと比べてみましょう。自分の足の特徴がわあかるはずです。
「最近靴のサイズが大きくなった」そう感じませんか?
私たちは身につけている靴や靴の履き方の影響を常に受けています。つまり、影響を受け状態が変化している可能性が高いのです。
・足のサイズ
・外反母趾の曲がり方
・巻き爪の巻き方
・関節の動き
・筋肉や脂肪層の厚さ・・・等全て
これまでに、靴の専門家に足をみてもらっていたとしても何年も経っていたとしたら再確認してみてはいかがでよう。今なら勧められる靴が異なっているかもしれません。もし、足の測定なんかしたことないよ〜って方は靴屋で一度測定してもらうことをお勧めします!!!測定したからと言って購入しなくても問題はありません。
足に意識を向けて、自分の足の現状を認識することで、いま取るべき行動(対策)が明確になります。
「足の状態はよく分かったよ〜でも、何をしたら良いかわからない〜」という方がいたら、お気軽にご連絡いお待ちしています。
セルフケア
爪が切りにくくなる原因に白癬など爪側の問題がありました。
自分で爪が切れない爪側の要因として、爪が厚い・爪が硬いなど多いです。自分でできるはずだったことをできない状態としてしまわないためにセルフケアは重要です。
そこで、保清と保湿をルーティンにすることをお勧めします。
保清
❶1日1回は足趾の間や足底まで丁寧に洗う。
❷以下、皮膚白癬(らしきもの)があったら・・・放置しない
この理由は、爪白癬になってしまうと皮膚白癬以上に治療が難しくなるます。さらに、本来できるはずだった足の爪切りができなくなるきっかけになるからです。
❸白癬らしきものを見つけたからと言って自己判断で薬剤を準備して塗布しないこと。必ず医療機関で診断してもらいましょう。
❹診断を受けて薬剤を根気よく塗布し、よくなった、治った!と思ってから2〜3ヶ月間は薬剤塗布を継続します。
保湿
❶保清後、指の間まで丁寧に水分を拭き取ります
❷足趾間(指の間)意外に保湿します。タコやかかとの角質にお困りの方は特にしっかり保湿しましょう。
タコや角質は時に痛みを伴います。当然体重がかかる歩行にも影響が大きい。私たちは痛みが伴わないよう無意識に歩き方を変えてバランスが変わります。そのうえ、足底が乾燥して硬い状態だと感覚が落ちますので、バランスを崩しやすくなります。
保湿によって皮膚が柔らかさを保ち、硬い胼胝ができにくい状態になります(併せて靴や靴の履き方なども課題のことが多い)。乾燥は大敵!
保湿剤の詳細は機会があれば企画していきます。
ひとまず足を保湿する習慣がなかった方にとって抵抗感を感じる方も少なくありません。特に男性。
ですので、「家にあるものを塗る」「塗った感じがしないもの」など、やってみてもいいかなと感じるものを優先して塗り始めてみてはいかがでしょう。
その後、継続できれば自然と効果が気になります。「がんばったのに効果がない」と感じたら、その時に違うものに変更したらいいです。
お気に入りを見つけることも継続するための大切なポイントだと考えます。
❸爪の生え際や爪にもクリームやオイルを塗ることで爪の変化が期待できます。
ただし、足の爪は手の爪に比べ時間をかけてゆっくり伸びます。目で見て効果を感じるには少なくても数ヶ月かかるため、気長に継続できるといいですね。
まとめ
今回は、自分で自分の爪切りができる状態を長く維持するための「セルフケア」を提案をしました。
というのも、自分で足爪を切っている方と 誰かに頼まなくてはならない方の足状態に大きな「差」があると感じたからです。(*「足の爪は自分で切って」という意味では決してありません。)
自分で爪を切れる自由度、気兼ねのなさ、自立感、自尊心、自信。「爪切り」と一言で言っても、それだけでなく心理面での影響もありそうです。
老い方はそれぞれでしょうが私たちは平等に老います。
ここまでお読みいただいた方はおきづきかもしれません。「足が原因で転倒」はケア次第で確率を下げることが可能だと私は考えています。
正しい情報を手にして、これからどうするかはあなた次第。Xデイが少しでも先になるように大切な足を労って自分の足を観察してみてはいかがでしょう。
今できることをみつけて、まず自分の足から!一緒に取り組んでいけたら嬉しいです!!!
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
このブログでは、皆様にお役に立てる内容と日頃の活動から感じたことなどを中心としてAbeby代表ちーさんが情報発信しています。
日常のケアにおかれまして、ヒントになることがありましたら幸いです。皆様のお気持ちが患者様(利用者様)に届きますように!!!
🦶コメントやご感想などもお待ちしております❤︎