13章 病人の観察(96)~(98) 本文終了!
こんにちは。
Abebyのちーさんです。
お読みいただきありがとうございます。
今日は29回目「モーニングナイチンゲール 」本文最後です。今後も「あとがき」を読み進めますので続きますので、お楽しみに!
私たちの読書会「モーニングナイチンゲール」では、書籍を通してそれぞれ感じたことや考えた事などを自由に語り合い、深めています。
意見を言わないととなると、つい構えてしまって「自分は何を言おうかな」と他の人の意見を聞かずに自分のことばかり考えてしまいがち。それではただ、言いたいことを言うだけでブレインストーミングも起きませんし。複数人で意見を交わす「意味」がありません。
仲間と読み交わすことで、一人ではない視座視点、気づきを得ることができます。
ですのでここでは、仲間の発言を聞くことにも意識しています。
しっかりと聞く。簡単そうで意外に正しく聞けないのがひと。自分の聞きたいように都合のいいようにしか聞いていません。ですので、他の方の意見はしっかりと聞きます。
もし、あなたが学生時代以降「看護覚え書」を読んでいないとしたら、当時と感じ方が全く違うことに驚くことでしょう。
『仲間と読む&感じたことを交わす』
それぞれの看護経験や活躍の場、人生経験バラバラの人たちと伝え聞くことで化学反応がおきます。どういうことかというと、自分の気づきや考えが広がり、考えも一層グッと深まるのです。
今回モーニングにチンゲールの内容を簡単ですがまとめました。
これを皆様のヒントや力になればと思い、心を込めて書きます。
ぜひ最後までお読みいただけたら嬉しいです。
目次
1.フローレンス・ナイチンゲール
2.「看護覚え書」13章病人の観察(96)~(98)を深堀る
2.1.氷枕をとおして
2.2.感じるということ
3.読書会「モーニングナイチンゲール」について
4.本文最後を迎えてメンバーの感想
5.まとめ
フローレンス・ナイチンゲール
言わずとしれたフローレンス・ナイチンゲールですが、少しご紹介。
1820年5月12日生まれ。
昨年は生誕200年でした!
フローレンスは、現在の病院や看護の基礎を作った人とも言われています。
家族の反対を押し切って32才で看護師となり、34才で看護師団を引き連れてクリミア(戦場)へと渡りました。
そこで、傷ついた兵士を受け入れる病院環境を自己資金で整え、死亡者数を劇的に減少へと導いています。
さらに、
・ナースコールの原型ともいえる呼び鈴
・食事を運ぶリフト
・巡視
・統計学
など全て彼女か残した一部です。
その後、38~39才で自分の体験をもとに「看護覚え書」を出版しています。
100年以上も経った今、バイブルとなっている当書籍は、フローレンスがクリミア戦争から戻って執筆したものです。
執筆を通じて、看護とは経験年数だけではない、ことの証明に感じます。
看護師として経験10年にも満たないフローレンスが、どう想像力を働かせ、体験を通してどんなことを感じ、考え、こうした行動に至ったのか。
きっと当時の周囲の方々は驚くばかりだったに違いありません。
「必要」と考えたことをとことんやる強さ、情熱、行動力。
全てにおいて脱帽です。
看護師であるご自身の振り返りや情報の捉え方、フローレンスの見識、観察力、感性・・・ご自分なりの読み方を探すのも面白そうです。
個人的には、辛口で忖度がない内容に好感が持てます。
腹の座り方が違いますので、歯切れがいいんです!
臨床経験を積んで「しがらみ」を感じている方はこの歯切れの良さが羨ましく感じるかもしれません。
◉「看護覚え書」13章病人の観察(96~98)を深堀る
1.氷枕をとおして
“何のために観察をするのか”
「異常の早期発見!」素晴らしいですね。必要な医療を提供しようとしている姿が目に浮かびます。
他には何のために観察していますか?
フローレンスが記すように、
“観察そのものが自分の目的であり、自分の務めは何かを発見することであって人を癒すことではないと思っている”
そんな人は皆さんの身近に思いつくひとはいないといいな、そう思います。
人を癒すための観察としてメンバーの体験を通して考えたいと思います。
* * * * *
病院勤務の新人看護師Aさんのエピソード
仕事もおぼつかない新時代のある日、Aさんの病棟に当時の総婦長(今の看護部長)がやってきた。Aさんが氷枕を作っているとそっと近づいてきて氷枕の氷の角をとるコツを教えてくれたそうです。この時、氷の角をとることが患者さんの「気持ちよく使える」使い心地をよくする『意味』があり、看護師としての配慮、心遣いを学ばれたそうです。
この細やかな心遣い。皆さんは今どう感じていますか?
氷枕の中の氷の角が取れていないと患者さんが使ったときに角が当たって使い心地が悪い。私はこのような細やかな気配りとそのための工夫、具体的実践行動の積み重ねが「気持ち良い環境」を作り出しているのではないかと感じます。
また、別の視点では、新人NSのAさんに、氷枕一つでこれだけの気づきをもたらした総師長にアッパレ!もちろん、総師長からのメッセージを受け止められたAさんも素晴らしいですね。
2.感じるということ
情報に溢れている現代。学生の頃から「対話やコミュニケーション」「観察の方法」「質問力」などの看護における重要キーワードは耳にしています。みなさんにとてもさほど目新しくないと思います。
人って不思議なもので、馴染みを感じると・・・ついわかったつもりになりやすいです。
例えばYouTube。
一度も会ったことがなくても、繰り返し発信される様々な情報を見聞きするうちにその人のことを知っているように感じたり。一度も行ったことのない場所なのに、すごく詳しくなって土地柄をわかったつもりになったり。
私は、映画が好きなのでコメンテーターのコメントはできるだけ遮断しています。なぜかというと、その方の感想や考えを自分のものとすり替えて、自分の感想だと勘違いしてしまうからです。
話を戻すと
意識しないと私たちは自分の感情と他の情報の区別すら混同してしまいます。
「つもり」≠「できる」「理解している」
「自分の気持ち」≠「他者の気持ち」
ご自分自身に目を向けて感じてみるのもいいかもしれません。
「自分」の中にしまわれがちな感情・気づき・思いがぼんやりしていると誰かと話ししていても「あ〜同じ〜」と表面的な会話で終えてしまいます。
相手の考えを何となくわかったつもりになってしまうと、大切なメッセージをきちんと受け止めることが難しくなります。患者さん・ご家族・ご自分、今が「わかったつもり」なのか「わかった」のか感じとることで次にどう看護したら良いかの妥当な一手を探り当てることができます。
“天の与えた尊い命は、しばしば文字通り看護師の手中に委ねられるからである。”
と、フローレンスが述べています。
私たちは生命に関わっていることから、感じるということが重要な責務といえますね。
本文最後を迎えてメンバーの感想(ほんの一部)をご紹介
Bさん
この読書会では、「今感じていることは?」からスタート。繰り返している間に、普段の時も「今何を感じてるのか」をふと意識するようになった。例えば、患者さんのことだったり、季節の変化だったり。
自分が周りの方に恵まれていることにも気づいたり、変われるチャンスに感じています。
Cさん
看護師として、というよりもむしろ人としてよりよく気持ちよく「より豊かな人生」を送るためのメッセージ書かれてる。
ここでの横のつながりや学びがいつしか支えになっている。メンバーの体験や思いとか、思い出したり、笑。ありがたいです。
Dさん
最初、看護師さんがどういうことを考えているのか知りたくて参加した。仕事では同じメンバーで働いているのでわかったつもりになっていたところもあることに気づいた。もっと、伝えたり聞いたりしていこうと思っている。
◉読書会「モーニングナイチンゲール」について
ここでモーニングナイチンゲールについてご紹介します。ご興味のある方はHPをご参考ください♪
そもそも何?
「モーニングナイチンゲール 」とは、ZOOMを活用した読書会コミニティです。
現在(令和3年10月時点)、毎週土曜日の朝5時から1時間開催していて、フローレンス・ナイチンゲール 著『看護覚え書』を読んでいます。
参加される皆さんとは、FBグループや公式ラインアカウントで繋がれせていただいています。
いつから?
この読書会は、令和3年4月からスタートしました。おかげさまで、およそ8ヶ月目になりました。
誰がいつやっているの?
専門看護師のちーさんが企画運営しています。
開催日時:毎週土曜日朝5時〜6時
場 所:ZOOM
*参加希望の方は「お問い合わせ」からメッセージお待ちしています!
何のために始めたの?想い
立ち上げに至った動機は2つ。
モーニングナイチンゲールを立ち上げた理由;その❶
看護を語り愛(あい)たい
「看護」について語り合える時間や場所が欲しい。
長年にわたって願いながらも実現できませんでした。
看護師は日々業務に追われながらも、命と向き合っています。
先にも述べたように患者様&ご家族はおひとりお一人に問題や課題を抱えています。
治療であったり、退院後の療養であったり、社会的環境や経済面であったり。
当然、ニーズも様々。
同じ現状を前にしたとして、看護師が皆一様にその現象を同じように解釈することはありません。
情報として捉える「見えるもの」も異なるので、それぞれのもつ情報やアセスメントやケアプランも違います。
患者様(利用者様)にとって重大な岐路に立った時、関わる私たちも大きく揺れやすい。そんな経験ありますよね?
「これで良かったのだろうか。」
「もっと良い方法がなかったのか。」
「どうか関わるべきか」
悶々としつつ帰宅後も頭に残って気になる。
しかし、自分の中で答えを見るけることがままならないまま次の勤務。
このサイクルでは「いい看護を提供したい」その想いが報われないと感じていました。
人は立ち止まり、振り返り、考察し、次の行動に活かすことで成長します。
特に看護は様々な意見を持ちよれることが重要です。
そこで、このような場を作流ことにしました。
また、書籍を通じて自身の看護を俯瞰して捉えていただけるよう読書会としています。
どんなところがどうに良かったのか、もっと良いケアをするとしたらどんな方法があったのかリフレクションによって、私たちは確実に前に歩むことができます。
しかし、自信がなく曖昧な状態がいくら積み重なっても精神的疲弊を生み出すだけで成長の弊害にすらなりかねない。
そう考え立ち上げました。
モーニングナイチンゲールを立ち上げた理由;その❷
自分に意識を向ける
看護師は他者の観察は得意だけど、自分の感情に疎く、表現することが下手な職種。
仕事上仲間や多職種との連携においても、どう伝えるかは重要です。
さらに、精神障害に関する事案の労災補償状況で最も多いのは医療福祉領域。
つまり、心や体の専門家でもある私たち自身のメンタルケアが課題なのです。
そこで、ここでは自身の気持ちに目を向けるきっかけを作りたいと考えました。
ー自分は今何を感じているのか。
ー本当はどうしたいのか。
ー何を望んでいるのか。
自分の気持ちや考えに気づいて、表現する。
至極当たり前のことに思われるかもしれません。
しかし、「自分が何を感じているか」答えられない方は意外と多い。
「誰かがそう言っていた」とか「周りから期待されている答え」を自分の気持ちと混同していたりありませんか。
お読みくださってるみなさんはわかりませんが、私は自分の気持ちや考えに蓋をしていた時期がありました。
他者に伝える事が苦手で、生きにくさを感じた時期もありました。
「伝える」ことは習慣です。
読書会は、自分が何を感じているのか気づき他者へ伝えるトレーニングとしての意味もあります。
まとめると
安心・安全な場でカッコつけずに感じた事を仲間に伝え、互いに聞いていただきます。
この読書会では、すごい事を発言する必要もありません。
綺麗にまとめて話す必要もありません。
必要とする方に会を知っていただき、活用していただけたら嬉しいです。職場以外の全国に仲間ができる点も面白いところです
名前の由来?
読書会スタート後、参加者の皆様に名前を募集しました。ご応募から投票をさせていただき、最多投票が「モーニングナイチンゲール」でした。
素敵なネーミングに感謝!
ちーさんの感想
氷枕のお話を聞いた時、メンバーの反応は様々でした。
➖教科書通りのことしかしていなかったと振り返る方
➖Aさんの素直さに感嘆する方
➖総師長の意図を推測した方本文が終えた今回、改めて感じたこと。
わたしは、2番目。昔、氷枕の角を取ることについてアドバイスをもらった経験がありました。その時、Aさんのように素直に受け止めていただろうか?確か私は、角をとってあまりにも小さくなった氷を感じ取って、「こんなに小さい氷じゃすぐに溶けてしまって氷枕の意味があるのだろうか」とモヤモヤしたことを思い出しました。角を取るのも「適度」でなくてはなりません。取りすぎては、ゆっくり休む時間を阻害しかねませんからね。当時の私の先輩がたまたま角を取りすぎてしまったのかな・・・?と今となって思うところです。
一人で読む読書と仲間と意見を交わす読書会。
それぞれ全く別の成果、結果を得られることを実感しています。どちらも目的によって有効ですし、大切です。ただ、本を読むことも、さらに仲間と語る事はなおさら機会が限られていて残念に感じます。
当会は今後も継続しますのでいい仲間と「看護覚え書」を通して看護を語るのは私にとってかけがいのない時間になってます。もし、最初から参加したいと思っている方、全部読み終えたら改めてスタートする予定(予定です😄)!お楽しみに
今日という日が素敵な1日でありますように!
最後までお読みいただきましてありがとうございました。
このブログでは、皆様にお役に立てる内容と日頃の活動から感じたことなどを中心としてAbeby代表ちーさんが情報発信しています。
日常のケアにおかれまして、ヒントになることがありましたら幸いです。皆様のお気持ちが患者様(利用者様)に届きますように!!!
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